渋谷商業ビルの建築事例

渋谷商業ビル

渋谷商業ビル

リファイニング事例
渋谷商業ビルは老朽化した築40年のテナントビルをリファイニングした建物である。
渋谷駅から徒歩1分の場所に位置しており、立地によるテナントビルとしての価値は高い。築40年が経過し、老朽化が進行しているため、建物の所有者は建て替えを検討した。建て替えると外壁を道路境界から1メートル後退させなければならず、賃料単価の高い低層部分の面積は減少する。したがって、事業者は既存建物の形状を維持するために、この建物を再生させることを選択した。
大規模な再生工事を行うためには、既存建物の遵法性を証明しなければならない。既存建物の情報を整理するために各種の調査を行い、既存図面を復元した。その上で法的な条件を整理し、既存建物の遵法性、いわゆる既存不適格を証明したうえで確認申請が受理され、工事完了時には検査済証が発行された。
耐震基準の変更をふまえ、使い勝手に支障のない方法により耐震補強を行った。耐震補強工事にあわせて外装や階段の更新、エレベータの新設を行った。階段の更新には既設の階段が位置するスパンの小梁を解体する必要があった。そこで階段を更新すると同時に、新規のスラブを更新する際には既存のスラブと段差を設け、飲食店舗として使用する際の厨房想定スペースを確保した。同時に維持管理を容易にするために、設備のパイプスペースをその位置の全階に確保した。
テナントビルではテナントの入退去や用途の変更が繰り返されるため、幅広いテナントが入居できるための汎用性を確保した。同時に、入退去の際に大規模に工事を行わずにテナントが入れ替わることのできる更新性を確保することにより、今後も長く使用し続けることのできる長寿命建築に生まれ変わった。
設計事務所
青木茂建築工房
設計工期
2011年03月 〜 2012年03月
竣工年月日
2012年03月
延べ床面積
858㎡
構造規模
鉄骨造 地上4階
所在地
東京都渋谷区渋谷1-15-19
受賞
グッドデザイン賞(2013)
受賞の英語表記
GOOD DESIGN AWARD(2013)
種別
店舗