福岡市農協本店ビルの建築事例

福岡市農協本店ビル

福岡市農協本店ビル

リファイニング事例

・居ながら施工によるリファイニング
・確認申請対象外工事でのリファイニング
・過密都市における近隣対策工法

築35 年のRC造の事務所をリファイニングする計画である。居ながら施工、耐震性の不安の解消、本店ビルにふさわしい新たな外観の創造という三つの要求に応えるべく、本計画ではPG工法という最新の耐震補強の工法を採用した。この工法では、鉄骨の門型フレームを外から貼付けるため、ブレース等で開口を潰す事が無く、建物の耐震性能を向上させることが出来る。また、主に外側から施工を行うので、工事中も事務所として建物を使い続けることが出来た。それと共に、この門型フレームを外観デザインの重要な要素とし、「耐震補強」が「デザイン」になるよう計画した。また、既存の外壁にタイルの浮きが見られたため、木製のルーバーを被せ、さらにその上からガラスのカーテンウォールで覆った。そのことにより、タイルの落下防止と外壁の劣化防止を図った。耐震補強や躯体保護を施す事により、既存建物が抱えていた問題を解決すると共に、新たな外観をデザインすることが出来た。ガラス越しの木のルーバーは見る位置や時間によって様々な表情を見せ、「自然」や「有機的」なものと関わるJAという団体のイメージを表現できたのではないかと思う。また、居ながら施工により約50%の大幅なコスト削減を実現した。施工により排出されるCO2の発生を対新築の1/6 に抑えることができた。これらの事が評価され、福岡市都市景観賞を受賞した。

設計事務所
青木茂建築工房
設計工期
2004年06月 〜 2005年07月
竣工年月日
2005年07月01日
延べ床面積
3796.88㎡
構造規模
RC造、地上4階 地下1階 塔屋1階
所在地
福岡市中央区天神4-9-1
種別
事務所